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1: 名無しさん@おーぷん 2016/11/30(水)16:59:22 ID:xAj
本拠地、東京ドームでマジック1で迎えた広島戦
先発山口は8回無失点、打線も繋がりをみせ優勝を決定する勝利だった。
ドームに響くファンの歓声、どこからか聞こえる「ありがとう山口!CSも頼むぞ!!」の声
歓喜の渦の中、今年移籍してきた山口は独りベンチで泣いていた
横浜で味わった屈辱、哀しみ、悔しさ、そして何より信頼出来ないチームメイト・・・
それを今の読売巨人軍で味わう事は殆ど無かった。
「やっと・・やっと優勝出来たんだ・・・!!」山口は勝利の美酒に酔いしれた
どれくらい経ったろうか、山口ははっと目覚めた
どうやら飲み過ぎて眠ってしまったようだ、酔いの頭痛が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って身体を休めなきゃ。まだまだペナントは終わってないんだ」山口は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、山口はふと気づいた
 
「あれ・・・?ここは横浜スタジアム・・・?」
山口の目に飛び込んできたのは、空席が目立つ観客席だった
チームに浴びせられる罵声に混じって、ベイスターズの応援歌が小さく響いていた
どういうことか分からずに呆然とする山口の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「シュン、サッカーしようぜ!早く行くぞ」声の方に振り返った山口は目を疑った
「お・・・大家さん?」「どうした山口、居眠りでもしてたのか?」
「う・・内川さん・・・今はホークスじゃ・・・」「なんだ山口、かってに内川を移籍させやがって」
「金城さん・・・」内川は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:内川 2番:石川 3番:ハーパー 4番:村田 5番:スレッジ 6番:下園 7番:カスティーヨ 8番:武山 9番:山口
暫時、唖然としていた内川だったが、全てを理解した時、彼の心は闇に包まれた
「勝てない・・・勝てないんだ・・・・」
中根からグラブを受け取るも、うなだれマウンドに上がれない山口、その目に光る涙は歓喜の涙とは無縁のものだった・・・
 
翌日、ベンチで冷たくなってる山口が発見され、吉村と村田は病院で静かに息を引き取った

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